疲れた時に観たい最高の癒やしアニメARIA The ANIMATION【レビューしりとり】No1

アニメレビューしりとり第1回を飾るのはARIA The ANIMATION(以下アリア)です。まずは「あ」から始まる作品の方がしりとりの第1回目を飾るにふさわしいし、何よりこのアニメもといこの作品は本当にオススメしたいものの一つでした。疲れたときにも、気持ちの安らいだときでもいつ見ても心休まる作品です。こんなときだからこそ観たい!そんなアニメです。

目次

作品の見どころ:とにかく優しい世界

今回、レビュー自体が初めてということもあり多少不慣れな感じはありますが、まずは思いついたことをつらつらと書き下して行きたいと思います。レビューする上で、あまり適した順序ではないかもしれませんが、ご容赦ください。

水の惑星アクアを舞台に行われるハートフルストーリー

アリアは未来の火星を水のあふれる惑星としてテラフォーミングを行った場所が舞台となっています。惑星(もともとは火星)はアクアと呼ばれ、現在では水で溢れた星になっています。主人公である水無灯里(みずなしあかり)はそんなアクアでアリアカンパニーというゴンドラにお客さんをのせて観光を行う「ウンディーネ」の一人前になることをを目指しています。

作品は、灯里を中心に描かれています。灯里はどんなことでも楽しむ姿勢があったり、小さな幸せを見つけることの達人で、他の人からすると憂鬱に感じることや悩みであっても気がついたらわだかまりがなくなってしまったり、話しているうちに問題が解決したりします。

1話ではアクアの旅行に行った姉に旅行が楽しかった話をされた「アイちゃん」という女の子が登場します。彼女は自慢げに話してくる姉を少し疎ましく思っています。特にゴンドラに乗ったときの話を楽しそうに語っていたそうです。そこでマンホーム(地球)からはるばるアクアへ家族で旅行にやってきたアイちゃんは姉が楽しかったと言っていた「アリシアさんのゴンドラ」に乗ろうとアリアカンパニーにコンタクトを取りますが、残念ながら予約が入っており乗ることが出来ません。しかし諦めきれずにアリアカンパニーに足を運び、あれやこれやで灯里のゴンドラに乗ることになります。

ゴンドラに揺られながら話をする灯里とアイちゃん。実はアクアに来るまでアクアのことが嫌いだったと告白。姉のことはスキだが、新婚旅行で訪れたアクアの話を自慢気に語ってくる姿を見て、アクアに対して良い印象を持てなかったという。自分もアクアに行けば好きになるかと考え両親にお願いをしてアクアに旅行で訪れたり、ゴンドラにも乗ってみたがどれもいまいちの印象。姉が言っていた「アリシアさんのゴンドラ」も期待していたが、予約の関係で乗れず代わりに灯里のゴンドラとなってしまった。灯里との経験は楽しい思いを作れたので、今度は自分が姉に対して自慢のお返しをしてやるんだとアイちゃんは言葉にします。

灯里「お姉さん、自慢してたわけじゃないと思う。アイちゃんに教えたかったんじゃないかな?アクアのこと。だってほら、自分が好きになったモノの話ってしたくなるでしょ?特に好きな人には

先程までは姉に対して自慢話のマウント取られたと感じていたアイちゃん、そしてそのお返しをしてやろうと言う感情をだと思っていた気持ちでした。それは灯里流に言わせると、「好きな相手と自分の好きなモノを共有したい」という感情だったことに気付かされます。自分の中の気持ちに向き合えた時、アイちゃんは姉のアクア話が聞きたくなったとまで気持ちが変わります。

別れ際、今度はアリシアさんのゴンドラに乗れるように手配することを約束する灯里だが、アイちゃんは拒否!今度来た時もまた灯里のゴンドラに乗りたいと言いメールアドレスを交換し、アクアを去るのであった。

このように、話の中では関係者の気持ちのこじれやすれ違いを、ゴンドラに乗ったり灯里と同じ優しい時間を過ごすことで、少しずつ解きほぐされていくお話で構成されています。

基本1話完結型!見終わったあとの清々しい気持ちが心地よい

アニメは基本1話完結で語られます。途中前半のみ、後半のみの話数もありますが、それもそれで完結しています。冒頭で悩みや不安を抱えた描写が描かれ、その問題解決に奮闘して、解決して癒やされるというのが1セットです。いくつか自分のオススメエピソードを共有したいと思います。

天才少女アリスちゃんとの出会い

悩みや問題も様々です。若き天才少女のアリスちゃんはうまく人と接することが出来ず一人でゴンドラの練習をしています。他の人の笑顔を見ても愛想笑いのようにしか見えず、なかなか周りに溶け込むことが出来ずにいます。そんな時灯里と偶然出会い一緒にゴンドラの練習をすることになります。灯里の笑顔は他とはなにか違う、そう感じるアリスちゃん。二人の出会いはアリスちゃんにどんな変化をもたらすのか。

思い出と向き合う

灯里・藍華・アリスの3人での合同練習を終えてアリアカンパニーに戻った。そこにはそれぞれの先輩3人が居合わせている。先輩方はお互いに忙しく、めったに3人で合うことは無くなったと語る。そんな姿に自分たち3人を重ねてしまう灯里たち。いつまでもは続かない楽しい3人の合同練習。遠くない未来、3人は今まで通り楽しい日々を送ることが出来るのだろうか。


この他にもご紹介したいエピソードが多すぎます。このままでいいのか!?と現状に焦ってしまう藍華ちゃんの話もとっても心があたたまるんだなぁ・・・。新しい登場人物がいてもしっかりと説明が入るため、違和感なく見ることが出来ますし、次の話にまたいでもやもや!なんてこともないのでちょっとした時間に楽しめるのも良いところです。

原作を生かした最高なストーリー構成

このアニメは本当に原作を理解して、大切にしていることがびしびしと伝わってきます。最近よくあるうけた原作を1クールに詰め込んだだけのようなものは一切ありません。

原作のマンガ完成度がとにかく高く、アニメ化でも新旧ユーザー両方に優しい作り

ARIAの原作は天野こずえ先生のマンガARIAが元になっています。マンガ版ではアニメでは表現しきれない天野先生の美しい灯里たちや、目を奪われるようなきめ細やかな背景を楽しむことが出来ます。

The ANIMATIONが放送されるころにはコミックの7巻が発売された時期ですが、放送時までのエピソードの中で、出会いのシーンなどを必要最低限に抑えつつ、初めて見る人に対しても違和感が起こりにくいように丁寧に登場人物を染み込ませてきます。当然アニメオリジナルのシーンが入ることになりますが、原作を知っていても「ここで登場するんだな」とか思うぐらいで全く違和感がありません。初めて見た人も、「そういう人間関係があるんだなー」と決して置き去りにする表現がありません。

現在は完全版が発売されています。アニメで気に入ったエピソードや隠れたエピソードを知るにはぜひマンガも試してみてください。

ちなみにマンガのARIAは灯里がシングルになってからの話ですが、それ以前の話として「AQUA」というマンガが全2巻で語られています。もし、The ORIGINATIONを見ることがあれば、「AQUA」を読んでおくとめちゃめちゃニヤニヤ出来るシーンがあります。ARIAでは意図的にカットして、知ってる人だけが2周めを楽しめるような要素としているように思える編集をしてます。気になる人は是非読んでみてください。両方手袋をしている灯里ちゃんが拝めるのもポイント高いですね!

シリーズ構成が最高

ARIAのアニメ化はTVシリーズで3回されています。しかも今では考えられないようなリンクの仕方をしており、原作コミックの最終巻とアニメの終了時期がほぼ同時にリンクしており、当時の読者や視聴者を大きく驚かされました。また、マンガの中では灯里がだれかに語りかけているような様子がありますが、アニメ化されたことで、その相手がアイちゃんであることがわかったり、かなり入念なメディアミックスが練られていたのではないかと考えられます。普通だと原作にいないキャラが出てくるとヒンシュクを買うことが少なくないですが、ことARIAに関しては驚きと同時に歓迎されたキャラクターです。

アニメ時期テーマ
ARIA The ANIMATION
(1期)
2005年10月5日~12月28日出会い
将来への不安
ARIA The NATUTAL
(2期)
2006年4月2日~9月24日出会い
成長
ARIA The ORIGINATION
(3期)
2008年1月7日~3月31日始まり・旅立ち
別れ
未来

また、当時の視聴者を意識した構成になっており、The ANIMATIONの最終話では年越しのシーンがありますが、放送が年末に合っており、視聴者との季節性なども意識した丁寧な制作をしています。おそらくARIAを見ながらネオ・ヴェネツィアの年越しと、見る側の年越しをリンクさせようとするにくい演出ではないかと思います。

特にアニメシリーズで1期目を飾っているThe ANIMATIONではアニメから入った人にとっても内容や登場人物が浸透しやすいようにかなり丁寧な編集がされています。時間の関係上紹介がほとんどされないキャラもいますが、最終話に全員集合している演出なのでお許しください。

作品を楽しむ上で知っておきたいこと、用語など

アニメの中でも説明などはしていますが、ある程度知識を持って見ることでさらに楽しみやすくなります。まぁ細かいこと知らなくても楽しめるのがARIAの良いところなので、始めは知らなくても大丈夫です!

主人公:水無灯里(みずなしあかり)

この作品の主人公。天野先生の繊細なキャラクターを見事にアニメ化されたデザインでとっても可愛いです。15歳のときにウンディーネにあこがれてAQUAにやってきます。ARIAカンパニーに下宿して現在修行中。おっとりした性格で、どんなことでも楽しんでしまう「幸せの達人」。彼女の解釈にはいつもハッとさせらてて、気づけば周りも灯里のペースに巻き込まれてしまいます。物への愛着も強く、使い親しんだゴンドラとの別れるシーンなどもあり、彼女の優しさの大きさを知ることが出来ます。

たまに落ち込むことはありますが、純粋に好きになれる魅力の塊を持った灯里は主人公として最高のキャラクターだと言えます。たぶんARIAを見た人は、彼女の考え方に感心させられて、その魅力に惹かれていき、気づいたらARIAという作品にのめり込んでしまうと思います。

ウンディーネ(ペア、シングル、プリマ)

作品の中でも語られますが、「ウンディーネ」というのはアクアでのガイドさんの様な職業です。ネオ・ヴェネツィアではマンホーム(地球)のヴェネツィアのように水路をゴンドラで移動するようになっています。その中でも環境客などを乗せてガイドをしながら観光地などを回ったりするのが「ウンディーネ」のお仕事です。

ウンディーネには階級のようなものがあり、見習いのペア(両手に手袋)、半人前のシングル(片手に手袋)、一人前のプリマ(両手とも素手)に分かれており、灯里と藍華は現在シングルです。アリスちゃんはペア(実力がペアとは言ってない)。

作中では3人の見習いウンディーネが一人前(プリマ)を目指し日夜奮闘している様子を描いています。The ANIMATIONでは出てきませんが、ウンディーネ以外にもゴンドラをお仕事としている人は他にもおり、ウンディーネは中でもわりと険しい道。

観光をするだけのことはあって、プリマウンディーネのゴンドラは白が基調となっており、アリシアさんなどのゴンドラは白い。灯里たちの練習で使っているものは塗装などはあまりされていない(練習でぶつけたりすることがあるため)。

その他用語など

アニメを見る上で、知っておくとよりわかりやすくなる用語や知識などをまとめます。余談だと感じれば無視してください。アニメを見た後に目を通すでも良いですし。以下を読んでもネタバレ的なことは起こりませんのでご安心ください。

アクアとマンホーム

この作品はSFとファンタジーをくっつけて膨らませた様な作品です。舞台となるアクアは火星をテラフォーミング(居住可能化)した場所になっています。多くは語られていませんが、住めるようにする過程で重力は気候などにもかなり手をいれている模様。そのため後述する気候や重力を制御し続けるお仕事が必要になっているそうです。

話の中で語られる地球では、カットしたじゃがいもしか売られていなかったり、海で海水浴はできなくなっているそうです。住むことは出来ているが、自然などは少なくなっているという感じでしょうか。

1話目でアイちゃんがじゃがバターのじゃがいもの大きさに驚いていたりするのもその1部。

The ANIMATIONではすでに水の惑星になって当たり前のネオ・ヴェネツィア(というかアクア)ですが、水が溢れる惑星になる前のお話も入っています。自分は何度も見てるので知ってるんですが、水が出てくるシーン見ると目からも水が出てくるようになってます。The ANIMATIONの大事なまとめの1話を担っているのですが、ほんとうにアニメに関わっている人たちが考えてこの話を入れようとしたんだろうなーと感じるお話です。

4大精霊の名を冠した職業

ウンディーネはもちろん水の精霊ですが、ARIAの中では各精霊の名前をもった職業が存在します。ウンディーネ以外は男性のお仕事で、それぞれの担当キャラもいますがThe ANIMATRIONではノームのキャラは最終話にちょっと出てくるだけです。気になる人はThe NATURALも見よう!

精霊(職業名)お仕事内容
ウンディーネ水先案内人
観光のガイドさん
サラマンダー空島で気温などの調整を行っている
シルフ郵便などの配達業務
ノーム地下で重力の制御

他にもあるぞ!OVA

今回はTVシリーズに注目して3作品アニメ化されていると話しましたが、それ以外にもOVAなどにも展開されています。

  • ARIA The OVA ~ARIETTA~
  • ARIA The AVVENIRE

ARIETTAでは灯里が訪れる前のARIAカンパニーを中心とした完全オリジナルエピソードが描かれています。またAVVENIRE(アッヴェニーレ)はテレビアニメ10周年プロジェクトとして制作されました。話の時系列的にはマンガ(TVアニメ)が終わった後日譚。ちょっとお高いので気になる場合はレンタルなどで試してみると良いかもしれません。

牧野由依さんの歌が、最高なんです・・・

アニメなんかを語る上であまり歌とかを全面に押さない方なんですが、ことARIAに関しては、挿入歌の演出とタイミングが本当に最高なんです。もちろんOPやEDも最高なんですが、自分の中でこれ!っていうのはThe ANIMATIONの挿入歌として入る「シンフォニー」という曲です。作中で2回ぐらいしかかからないんですが、感情への訴え方が本当に凄いんです。力強いのに優しい歌声が、ARIAに最高にマッチしていて「今日も生きていられてよかった、、、明日もがんばろ」ってなります。ちなみにいい曲は他にもたくさんあるので是非本編でも楽しんでください!

ノンクレジットオープニングが観たい?ねぇよんなもん!

テンションが昂ぶってしまって申し訳ありません。アニメというとオープニングのムービーが気になるかもしれませんが、実はARIAのオープニングムービーって何話のを上げればいいのかわからないってのが正直なところです。というのもオープニングで使いまわしているのはタイトル付近の映像だけで、それ以外の部分は毎話違う映像になっています。

試しに1話~4話までのだいたい同じ部分の映像を持ってきましたがすべて変わっているのがわかります。

話数によっては、オープニングBGMのボリューム調整が入り、キャラのしゃべりがはいることもあります。このあたりの演出が当たり前過ぎて本当にアニメ化にあたって力いれていたんだろうなぁと感心させられます。ちなみにこの演出はThe ANIMATION以降にもすべて引き継がれています。こんな事されたら、好きになるしかないじゃん・・・

雰囲気を大事にするアニメなので、アバン>OP>冒頭部分までがシームレスに始まるので本当に気持ちよく視聴出来ます。細かい部分かもしれないですが、こういう全体への気配りがARIAらしくて大好きです。

まとめ

アニメレビューいかがだったでしょうか?途中感想文になってるような気がしなくもなく、レビューってどうやればいいか分からずじまいでしたが、とにかくARIAってアニメが最高なんです!というのだけでも伝われば幸いです。

次回しりとりは「よ」

ARIA The ANIMATION(ありあじあにめーしょん)なのでしりとりルール上「よ」からのアニメをレビューしたいと思います。ただ、「よ」からのタイトルが少ないのと、まるまるThe ANIMATIONって結構あるのでこの場合は以降しりとりルールを変更するかもしれません。まぁ「よ」タイトルが枯渇してきたら改めて考えたいと思います。

次回「よ」から始まるアニメでお会いしましょう!

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