【ゲームレビュー】The Sexy Brutaleセクシーブルテイルはお手軽ミステリーゲーム

仮面の力を使い、館の中で繰り返される惨劇を回避するミステリーパズルアドベンチャーゲームです。襲われるゲストをあの手この手で救出するためにこっそりとドアを覗いたり、使用人の動きを把握するのは独特の面白さが満載です。

目次

ゲームの醍醐味:謎が少しずつ溶けていく快感

セクシーブルテイルはとある館の中で起こる殺人劇を回避することが目的のゲームです。主人公は自分自身が誰なのかが分からないまま進み、ゲストを助ける度に少しずつ謎の真相に迫っていくことが出来ます。

同じ日をひたすらに繰り返す中で突破口を見出す

ゲームはある1日の中で複数起こる殺人を一つずつ止めていきます。制限時間はお昼の12時から夜の0時までの12時間で、殺される原因を突き止め、それを阻止するためにどのような行動が必要になるかを見つける必要があります。

ブーン(操作する主人公)は仮面の能力で1日をやり直すことができ、見られても気づかれることがない代わりに、他のゲストや使用人と話をすることが出来なかったり、同じ部屋に滞在することが出来ません。そのため、情報を得るためには聞き耳を立てたり、部屋の中をドア越しに覗き込むことで謎解きのヒントを入手する必要があります。

また、何かが起こるのを目撃するには時間が重要です。いつ、誰が、どの部屋に来るかということも当然把握する必要がありますので、分からない時点では地道に歩き回る必要があります。見つかっても部屋から出れば危機回避が可能ですし、ゲームオーバーになってもいつもと同じところからやり直すだけなので安心して探索が可能です。

アクションが苦手な人でもこのあたりの機能は誰にでも楽しめる要素になっているのは高ポイントだと思います。

聞き耳を立てるドキドキ感・新しい能力を駆使する楽しさ

ゲームを進めるためには情報の入手が重要です。基本的にはゲストの死亡シーンを発見して、そこから逆算する形で関係者の足取りを見つけます。本当によくわからないときはクローゼット(同じ部屋に人が入っても追い出されない場所)にこもって人が来るのをじっと待ってたりして情報を集めてましたw時計を意識して遊ぶことで、計画的に行動が出来、スケジュール通りに行動出来たときはなかなかの爽快感です!

また、ゲームを進めることで救出したゲストの仮面能力を使うことが出来るようになります。例えばクローゼットの中に隠れて部屋の中の状況を探っているけど、音や声が小さくて聞き取れない場合も「トリニティーの完全聴覚」という能力を使うことで、鮮明に聞くことが出来るようになります。

能力を使用するときは、だいたい仮面が表示されるので気付くの自体はそこまで大変ではないんですが、行動の選択肢が増えていくのは謎解きゲームとしての醍醐味というかそれだけで楽しみが増します。

ゲームの感想・個人的な意見

では実際に最後までプレーしてみた感想や、遊びながら思ったことをいくつかまとめたいと思います。ちなみに初回クリアまでは10時間弱といったところでした。

ゲームの感想・採点ポイント

まずゲームの評価ですが、100点満点中の75点というところです。初めての採点なので基準がよくわからないですが、60点以上なら人に進めれる作品って感じで上の方の点数をあけての採点になっています。

雰囲気・世界観が最高

なんといってもゲームの雰囲気・世界観がとても良かったです。ネイティブ特有の翻訳も混ざっていますが、キャラクター同士のやり取りも、ゲーム内の背景も全てがマッチしていて没入感は抜群でした。カジノなんかの日常とのかけ離れたシチュエーションもとても良かったですね。

ゲーム内でもこそこそと他の人達を見守りつつ、入ってきた人に追い出されるためにいそいそと逃げ出したりするのがとても楽しかったです。

決してゲームオーバーにならない再挑戦に優しい作り

ゲーム自体はタイムリープのように何かミスをしてもお昼の0時からやり直しになるため、大胆な行動を取っても心配がありません。つい先日セーブデータがロストするかも知れないようなゲームをやっていたせいもありますが、「どんどんミスってもいいよ!」というゲームは心に優しかったです。

特定の時間に、特定のアクションをする必要がある場合でも、受付の猶予時間が多めに設定されてあり、再検証してる時に早すぎたけどOKなことも多いところがたくさんありました。

こうした配慮があるので、アクションなどが苦手な人でも遊びやすく、謎解きに集中できるようになっているのはとても良いゲームだと思います。

少し困った部分

良くなかったというか、遊んでいて困った点として、手に入れたアイテムの使い方がかなり不親切なものが多かった。

途中で拾ったお守りに少し手間を加える必要があったりするのですが、「レシピを手に入れた」とだけあって、どうやって手間を加えるべきなのかがしばらく分からない時間帯がありました。手に入れたアイテムは詳細は地図でと書かれているのですが、地図の詳細を表示にそれっぽい説明が追加されます。

できれば手に入れたときにどこで何をするかや、館内で調べることが出来る箇所の説明が、組み合わせ可能な雰囲気を匂わせるテキストになっていればもう少し遊びやすかったかと思います。

地図にピン留めされているところにちょっとした説明が追加されていますが、閉じた状態のままにしていると、いつ増えたかなんかが把握できなくなっていました。

せめてレシピを手に入れたのならレシピのテキストも一緒に添えてほしかった。調べさせる箇所を増やすためにたくさんのオブジェクトを用意しているのが悪くないですが、謎解きのきっかけになるテキストが不十分だったのが、探索の面白みを大きくカットしているように感じました。

ステージのギミックが少ない

謎解きなので、解いてしまえばあっけないのは仕方ないですが、少しギミックがほしいなぁと思いました。最後の方はやや長めのステージもありますが、それでも行動箇所が新エリアだけで完結していたり、情報収集のために右往左往することが少ないので、そのあたりがちょっぴり物足りない感じがしました。

まぁ1日の同じ行動を皆が取るので、ある程度の制限があるのは仕方ないですけどね。

総評

常に大きな目標(自分は誰かなど)と小さな目標(救うべきゲスト)が提示されているため、程よい緊張感と使命感をもって遊べるのは退屈しないでプレー出来ました。

トロフィーもプレーをしていると、ある程度の収集は可能で、意地悪なギミックも少なめなのでコンプリートも簡単な方ではないでしょうか。

ゲームの謎に関しては、自分の予想とは少しハズレた&もう少しハッピーな話を想像していたのでシナリオ的には少し複雑な気持ちになりました。登場人物の陽気さと、世界観からもっといい感じの締めを期待していたんですが、うーんやむなし・・・?もっとハッピーエンドだったら高得点を付けたい作品でしたが、後味の悪さが自分の中では減点対象となってしまいました。

と言っても、ゲーム部分は遊んでて楽しい部分も多いですし、自分にとっても刺激が多く、最後まで楽しく遊ぶことが出来ました。セクシーブルテイルの怪しい世界に触れてみたい人は、ぜひ遊んでみてはいかがでしょうか?

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